除霊の仙台天光

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体験談2 【憑依との戦い】

はじめに・・・
地方に暮らしている平凡な家庭に“憑依”という魔物が突然襲いかかったのは今から数年前。こんな事が世の中にあるのだろうかと目を疑う事の連続でした。
本人はもとより家族一丸となって、この恐るべき魔物との戦いを物語風にまとめてみましたので皆様のご参考になれば幸いです。

憑依との戦い【第一節:潜伏】

「ただいま~」
次男がいつものバイト先から帰宅したのだが、
どうも元気がない。
「どうしたんだ?」
俊介「ううん、なんでもないよ」
そう言いながら彼は2階へと着替えに向かった。
「母さん、俊介近頃おかしくないか?」
そう妻に問いかけたが
「別に、バイト忙しいって言ってたから疲れてるんでしょ」
妻は夕飯の支度に追われてそれどころではないらしい。
だいぶ経ってから俊介が下りてきてご飯となった。
「あのさ、父さん、俺今日バイトに行く途中に危なくクルマに轢かれそうになったよ。」
「危ないぞ、気をつけろよ」
「ウン、でもさ俺クルマきたのまったく気づかなかったんだよな、何かボォーとしてたっつーかさ。」
「お前は小さい時に交通事故にあってるから特に気をつけたほうがいいからな」
私はそう言って晩酌を始めた。
妻も料理を分けながら「ほんとよ、俊介の事は母さんも心配だからね。」と次男を気遣っていた。
今思えばこの時には魔物が俊介の体に住みついていたのだった。
科学万能のこの時代にとても信じられない事が、明日からおきようとは誰も信じられなかった。

憑依との戦い【第二節:出現】

「山中さん、電話が入っております」
「オオ、サンキュー」
そう言いながら事務の女性から電話を受け取り
「ハイ、達郎です」
すると電話の向こう側は「父さん、俺だよ晃だよ」それは長男からの声だった。
「どうしたんだ?晃、会社に電話なんて珍しいなぁ」
「父さん、あのさぁ、俊介なんだけどさぁ、今電話で話したんだけど、あいつおかしいんだよ。直ぐ会社休んで家に帰ってくれない?」
「イヤ、父さんは今から営業会議とプレゼン会議あるから抜け出せない、なら母さんに連絡とってパート早退してもらうように頼んでみるから。
ところで俊介そんなにおかしいのか?どういう風におかしいんだ?」
「それがさぁ、俊介のやつ、今まで聞いた事がない変な笑い方をするんだよ、俺ら兄弟だからわかるんだ、絶対あいつ何かあるから早く行ってくれない?」
私は早速、妻に連絡を取り、至急家に帰って俊介の様子を見て欲しいと頼んだ。
会議中にも何度か電話が入っていたようで、のんきな私もただ事ではないと、なんとなく嫌な気配を感じていたのだった。
ようやく仕事も終わり花金、花の金曜日で部下や同僚から、一杯どう?と持ちかけられたが断り早々に帰宅した。
家に着いてみると、長男の晃もいる。
「母さん、俊介は?」
「2階よ」妻はそう言いながら2階に目をやり、困惑した顔で私にこう囁いた。
「いつもの俊介じゃないのよ、笑ったり、泣いたり、怒ったり、ふざけてるのかと思ったけどそうじゃないみたい。見てきて」
「わかった」そう言って2階にあがると、晃が俊介の肩を抱いて落ち着くようにとなだめているのだった。一体どうした事なのか。目の前にいるのはいつもの息子とは違う見知らぬ他人の人格なのだ。
目はうつろで笑ったかと思えば、急に怒りだして、長男晃が抑えるのもやっとという有様。
かと思えば急に泣き出し始める。シクシク泣いたかと思うと今度は大声で泣きはじめ、私のほうもどうすればよいか途方にくれてしまった。
晃に、今晩は泊まって俊介を見て欲しいと頼んだが、晃の妻は身重という事もあり明日また来るからと言って帰った。
俊介は時々正気に戻る時もあるようで、その時に色々尋ねてみるがどうも彼にもよく分からないらしい。
そう話しているうちに彼の左手が動き始めたのだ。
「どうしたんだ?」「ウン勝手に動く時があるんだ」そう彼は言った。なんという事だ。
夕飯も早々に切り上げて、疲れたを連発して彼は2階の部屋に戻っていった。
夜中に妻と代わる代わるに彼の部屋を覗いてみるがどうやら疲れてグッスリ眠っているようだ。妻が入れてくれたお茶を飲みながら、これからどうしたものかと二人顔を見合わせてしまう。

憑依との戦い【第三節:戦いⅠ】

夜中布団に入ってもなかなか寝つけない。
我が息子に何が起こったんだろう。
あんなに笑ったり怒ったり泣いたりして、もしかして精神病にでもなったのかと、いろんな事が頭の中を駆け巡る。明日も同じようなら精神科に電話した方がよいのかもなんて考えているうちに眠ってしまったようだ。
翌朝目覚めて真っ直ぐ次男の部屋に行ってみると、そこにはやはり“俊介”ではない人物が泣き喚き、怒号して時々睨み付ける姿があった。
ああ、何て事だろう、昨日の事はやはり現実なんだと改めて事の重大さを知る。
妻に俊介をみてもらっているそばから、私は大学病院の精神科並びに某精神病院と立て続けに電話をした。
だが何れも返答は同じで「今日は休診です。月曜日においでくださいますか?」との冷たい返事ばかり。電話中に俊介がこの事を聞いていたらしく「僕は精神病なんかじゃないよ」と叫んでいるのが聞こえた。
「お義理父さん、おはようございます、俊介さんの様子如何ですか?」長男の晃と来月出産を控えているという嫁が駆けつけてくれた。晃は俊介のもとにいってなだめている。
俊介が少し落ち着いた時に晃も交えて、どうしたらよいかを相談する。いろいろ話しているうちに、これは霊現象では?という話が出て、母がよく“おがみにいった”という霊能師さんに見てもらおうという事になり、早速電話予約をいれて、朝ごはんも早々に済ませて霊能師さん宅へとクルマを飛ばす。
事の詳細を話し、直ぐみてもらう。霊能師さんは30分ほど祈祷してこう言った
「お宅さんの息子には狐が憑いています」
そう聞いた途端に俊介は「違う、違う。」と言って正座しながら体をゆすって、あのなんともいえない目で霊能師さんを睨み付けた。
結局彼をどうすることも出来ない霊能師さんは、帰り際に、精神科に言ってくださいというだけだった。
帰り道の農道のハンドルを握る手に力も入らず、思わず助手席の妻をみてしまう。妻も同じ思いのようで、これからどうしたらよいの?と問いかけているようである。
彼は後部座席で窓を開けて、青く育った稲の葉を見ているのだった。自宅では長男夫妻が待っていて、事の次第を聞いて私にこう言った。
「父さん、去年某放送局で霊特集番組あったよね。あそこの霊能師さんならなんとかなるかも、俺Y放送局に電話してみるよ、父さんは、パソコンでどっか霊能師さんを探してみて」
彼はY放送局に電話をいれて概要を話して霊能師さんを紹介してくれるよう頼んだ。
すると向こうでは、その番組スタッフは今日はみんな休みでいないから分からないという。せめて霊能師さんだけでもと懇願したようだが、全てはスタッフがと断られ、すると長男は
「僕にはたった一人の弟なのです。今大変な思いをしています。死ぬかもしれません。それでも知らないって言うのですか?せめてスタッフに連絡とってもらって霊能師さんにコンタクト取れませんか?」と泣きながら話しているのである。
時折おかしく笑い、泣き、怒る次男の傍で、家族みんなが絶対俊介を助けよう、守ってやろうという固い絆で結ばれたのだった。

憑依との戦い【第四節:戦いⅡ】

そうこうしている間も、俊介の体は益々おかしくなり、一刻も猶予ならないように思えた。
「父さん!パソコンでどこか良い霊能師さん見つかった?」と長男が問いかけてくる。
「待っていろ、俊介、今探すからな、お前を助けるからな」もう私も必死である。
こんな思いはあの時以来だ。
それは彼が小学校の頃交通事故に逢って、ちょうど私が営業出先で、これもまた長男からの電話で俊介がクルマにはねられたと泣きながら連絡してきたのだ。当時まだ元気だった父が救急車で病院まで付き添ってくれた事を思い出す。
病院に向かう車中で、どうか神様、私の命の代わりに俊介を助けてくださいと何度祈った事か。ハンドルを握っていてもグッと胸がつまりなんともいえない気持ちが、今日又甦ってきた。どうか神様、俊介を助けてください。
もとい、妻が新聞を持ってきて「此処のお寺さん、祈祷、厄払いって書いてあるけどいってみよう」と皆に話しかけてきた。
もうワラをもすがる思いでいっぱいだ。早速長男夫婦のクルマと私のクルマで、山沿いのお寺さんに向かう。
俊介は長男晃のクルマに乗り私たち夫婦は彼等の後を追う形になった。此処からまた不思議な事がおきてくる。それは前のクルマの長男から私に携帯電話があり、どうも俊介に別人物が入ってきているらしいという。
俊介と代わるから父さん俊介と話してよというので「もしもし、俊介?」と訊ねると、
「おう、達郎か。元気か?」
「えっ!父さん」
そう、数年前に亡くなった親父の声、口調なのだ。
「父さん、今何処にいるの?」
「暗いところだ」
私はそれでも本当の親父とは信じられず俊介の知らない事を聞いてみた。
「ねぇ父さん、釣りによく行ったよねぇ、あそこの浜の名前何というんだっけ?」
「ああ○○浜か?ネウ(アイナメ)とかカレイの大きいのが上がったなタコも釣れたな、庭の畑、豆なったか?(育ったか)」
親父と私だけが何回も釣りに行った浜の名前や釣った魚の種類や庭の畑で作った野菜の名前を言い、最後の極めつけは、おふくろに電話を渡してあの世の夫と会話してもらった。
「お父さん?わたしだよ、分かる?」
「ああ、K子か、元気か、お前、いつも仏壇の前で、俺に、足腰ひざ痛いから治すようにしてちょうだいなんて拝んでいるけど、少し運動して歩け!」なんて言い出したのだ。
これはどんな事があろうとも俊介が分かるはずがなく妻も傍でびっくりしていた。
自分自身恥ずかしながら大好きな親父だったので、まさかこんなところで親父と会えるなんて夢にも思わなかったので運転しながら涙が溢れて止まらなかった。
その時はゾッとするよりも亡き親に会えたという思いが強く感じたものだった。
後から聞いた話だが、お寺に向かう時、自宅玄関先に親父が佇んでいたと俊介が言っていたそうだ。
お寺についてから、ひと通り名前や住所、どんな事が起きてどうなったかを紙に書いて事務所のほうにお渡しして数十分待つことしばし。その間、俊介は、やはり相当の憑依に憑かれており、代わるがわる色々なものが出てくる始末だ。
その中で驚いたのは若い男性のサラリーマンだが、仕事が随分忙しかったらしい。
そんな中、仕事帰りに焼き鳥屋さんで一杯飲むのが楽しみなんだと言っていた。(*1)ところが彼は自殺をした。いや、俊介の口からそう聞かされた。
私は彼に聞いた「どうして自殺したの?」
すると彼曰く
「疲れてもう何もかもイヤになって死ねば楽になるかなぁって死んだら、かえって苦しい。とっても苦しい」と彼は言うのだ。
その次に今度は俊介に動物霊が入りネコのようなマネをしはじめた。
もうこちらも少しは慣れてきて落ち着いて対応できるようになった。お寺の住職が見えて俊介の体から悪霊を追い払う儀式を行うが、銅鑼をガンガン叩き、その都度俊介の体がのけぞり、うなって、傍で見ていても可哀想で仕方ない。一度で悪霊は抜けないので毎月通うようにと言われ、長男と私とで少しは落ち着いている俊介を両側から抱きかかえてクルマに乗せて帰宅する。クルマの中でまた色んな霊が出てきて暴れたらしい。
夜遅く私は仏前に座り、お昼に出会った親父ともう一度お話しをするが、親父はもうなんにも言ってくれない。
「お父さん、頼むから俊介を助けてください。」私の精一杯の願いだった。
疲れているのだが布団に入ってもやはり昨日と同じで寝付けず色々考えてはまた同道めぐり。妻もおなじようで寝息なぞ聞こえる筈もない。今日は寝られなくても目をつむろう。
とにかく明日だ。俊介を一生懸命面倒見てくれている長男夫婦も私にはとても嬉しく思い、どんな事があろうと絶対俊介を、家族を守るぞ!と、見えぬ何者かに向かって叫んでいた。
次の日の朝、やはり俊介は別人と化し、色々な人物が登場してくる。ある者は名前を啓太と言い、凶暴で自分の体をつねったり叩いたり、私たち夫婦にもとても恐ろしい形相で睨み付ける有様なのだ。
また、やすさんという男性が現れて、話し好きなのだが我が息子でない事を思うと気持ちが悪い。と、そのうちにシクシク泣き出して女性の声と代わるのだ。
苦しいよなぁ俊介、自分じゃないお前を見ているこちらも辛いよ。私は溢れる涙が止まらず、どうしたらよいかわからない自分を責めるしかなかった。

憑依との戦い【第五節:救いの手】

漸くして天光様と連絡が取れ、事の重大さを承知して戴き、直ぐ俊介を連れてお邪魔して先生に見て戴く事になった。
お話しを伺うと随分の霊体が俊介にいるという事、自宅の状況を見せてくださいと言われて早速きてもらい、部屋の間取りや、神棚、敷地建物方角などを丹念に調べていただいた。
そして先生の口から発せられた言葉に顔色が真っ青になった。
なんと我が家の神様は庭の片隅にいて非常に怒ってらっしゃるというのだ。
神棚の位置もデタラメ、間取りもおかしく、これでは何かあっても不思議ではない状況だったのだ。
早速、祈祷、除霊、浄霊などを行うと、なんという事であろう。あんなに苦しんでいた俊介が正気に戻ったのだ。
傍にいた妻も、長男夫婦も、私の母もみんなで俊介を抱きしめて喜んだ。これで終わった、と私は思った。でもそれは少し浅はかだった。俊介の体から悪いものが抜けていったので、明日から、いや今からすぐ以前の俊介に戻るのだと思っていたのだが、どうもそうでないという事がこれからわかってくる。

憑依との戦い【第六節:戦いⅢ】

俊介は今までよりはだいぶよくなっているが、時折憑依されていた頃の、暴れたり、泣いたり、かと思えば急に笑い出したりと、おかしな行動をとるのだ。
果たして本当に治ったのだろうか?本当は治っていなくて、悪いやつら(霊)は、また機会をうかがっているのではないだろうか?と疑心暗鬼になる。
俊介も相当辛いらしく、自分自身を認識しているところにあの啓太や、やすさん、その他の人物が出てきては、俊介の意思とは違う動きをするので、俊介は疲れると、後ほど言っていた。
一旦は治ったと喜んでいたところにこの状況なので、我々家族の落胆振りは計り知れなかったが、俊介の方がどんなに苦しいだろうかと思うと、もう一度皆で力をあわせて俊介を守ろうではないかと、心に誓ったのだった。
妻も「お父さん、頑張ろうね、俊介も以前より正気の時間が長くなってきているから」
「ああ、そうだな・・・」
長男も「俺にとって、たった一人の弟だから何があっても協力するからね」
と私や俊介に話す様子を聞いて、グッと胸にこみ上げるものがあった。
それから俊介は天光様の指導を受けながら体質改善などを行い、今では普段どおりの生活を送っている。最初の俊介の異変に気づいたとき、もし精神病院に連れて行ったら、私は一生後悔する事になっていたかも知れない。
そして天光様に救ってもらえなかったら息子の命がどうなっていたのかと想像するだけで恐ろしい気持ちでいっぱいだ。

我が家にふりかかった今回の事は大変な事ではあったけど、いろいろな事を教えてくれた。
それは神仏の大切さ、そして何よりもどんな事があっても家族が協力する事。それに勝るものはありません。
この読者様の中で、もし家族がこのような目にあって苦しんで悩んでおられる方がいらしたら、絶対諦めないで下さい。
なんといっても一番苦しいのは憑依されている本人です。除霊、浄霊してもパッと180度転換したように直ぐ良くなるとは限りません。徐々に体質改善しながらよくなります。ここで苦しんでいる本人を見放すように、治ってないからもうイイヤと言ったら、元の木阿弥です。家族愛に勝る治療法なし!そう信じています。
亡き父も仏壇の奥で「良かったなぁ、達郎」と言ってくれているような気がしてなりません。

憑依との戦い【後書】

* 1について
自殺した若いサラリーマンだが、「死んだら楽になると思ったのに、生きている時よりかえって苦しい」という言葉が妙にひっかかった。私も良くわからないが自殺の場合、成仏できないと聞いた事がある。もしそれが本当なら、私はそれを裏付けるような言葉を直接霊から聴いた事になる。当たり前の事だが、自分の命といえども、あだやおろそかにしてはいけないのだ。

私の家庭では、夏になるとよく“霊特集”の番組に釘付けになって観たものだ。俊介も長男の晃も妻も怖いもの見たさで、キャーと言ったりゾッとしながら観ていた。その時は、霊なんているわけもなく、うそっぱちで、誰かが面白おかしく話を作って番組にしているのだろうと本気でそう思っていた。
しかし、しかしである。目に見えないものは存在していた。
霊しかり、神様もいた。お陰で人生観がかわったような気がする。今までは自分が困った時だけ、神様お願いと拝んだり、神様へのおそなえもした事が無く、当然毎日での生活で神様に手を合わせる事もなかった。
罰があたって当たり前の状況だったと多いに反省している。
大変な出来事だったが、ポジティブに考えれば、神仏あっての私たちと考える事が出来るようになり、何よりもまして家族で頑張れば何でも乗り越えられるとそう思えるような今日この頃である。
もっともっと書きたい事があるが、この辺で筆を置きたい。
ありがとうございました。

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